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朝食を終え、リオンは父がいる外の小屋に向かった。
「お父さん!今日は森で何をするの?」
キラキラと期待を込めた瞳で、リオンは父を見上げた。
「おぅ、リオン。今日は昨日仕掛けた罠を見に行くぞ。
運が良ければ、今日の晩飯は肉料理かもな!」
ニカッと笑い、リオンの父親はリオンの頭をわしゃわしゃと掻き撫でた。
「えー、でもそれじゃあ罠にかかった動物が可哀想だよ」
リオンは引っ掛かった動物を殺す様子を想像して、身震いした。
「ははは、リオンは優しい子だな。
でも、動物達の中は弱肉強食の世界だ。
だから、俺達人間もその自然のサイクルに従わなきゃいけない。生きるためだからな。
だからと言って、殺しすぎたり採取し過ぎたらいけねぇ。
それは自然のサイクルに反するからな」
「自分に必要な分を、必要な時に取るって事?」
首を傾げて尋ねると、父アルファードは大きく頷いた。
「流石、俺の息子!良くわかってるじゃないか」
にっと笑みを溢すと、アルファードは小屋を出た。
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