第六章

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「リオン、悪いがこの資料、暫く借りて良いか?」 「別に良いけど、何に使うの?」 「それは、後で説明する」 ディナンの真剣な眼差しに、リオンは渋々頷いた。 物が物なので、あまり手離したくないのだ。 「良いけど、無くさないでね」 「ああ、勿論だ。 よし、早速だが出掛けてくる! イフリートはもう帰って良いぞ」 「ランドールも」 『『御意』』 ゼネスも短く命じると、イフリートとランドールは姿を消し、ディナンとゼネスは慌ただしく出て行った。 「何だったんだろう?あんなに急いで…」 リオンは不思議そうに首を傾げた。 『リオン、あの紙束は何だったんだ?』 「5年前からの魔物と魔族の分布、群れの中の動き、特性、習性、弱点、最近起こった異変とその影響を種族ごとに地図と数値で表した物だよ。 纏めるの、かなり大変だったんだよ」 リオンはサラリと言うが、世界に何百種類もいる魔物を、そこまで緻密にデータ化したのは存在しない。 勿論、リオンも全ての種族を把握できてはいないが。 今回、ディナンが注目したのはソコではない。 "最近起こった異変"とその"影響"。 その事に関する種族ごとの緻密なデータ。 それが最も彼らが欲していた情報だった。 .
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