夢への一歩

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試合後。 「なぁ、友毅。俺にはピッチャー無理なのかな?」 高橋友毅(たかはしともき)東松島フェニックスの4番ライトで翔と同じ4年生。 「いや!おまえならきっと大丈夫!絶対復活できる!」 「そうかな?でもなんで打たれんだろ。コントロールも球速もサウスポーだった頃と同じくらいなのに。」 「もしかして、ボールの質に問題あんじゃない?」 「質?」 「うん。例えば、ノビがない棒球だとか、キレがないとか。」 ………そう言われてみれば確かにそうかもしれない。…………利き手じゃない右手では利き手の左ほどシックリきてない。 「ありがとう!友毅!」 ………ちょっと待て!…………ノビとかキレとかって…………どうやって……………出すの?…………………。 「ノビはどうやれば身につくかって?」 「はい!監督教えてください!」 一瞬の間。 ゴクリ。 …………やっぱ図々しかったかな?……………。 「知らん!」 「…………えぇぇぇ!」 …………嘘だろ。……………監督…………。泣きたい………………。 「すまんが俺は投手じゃなかったからな。そういうのは知らない。」 「そうですか。」
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