鮮烈デビュー

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---2003年小学軟式野球全国大会決勝------------- 宮城代表 東松島フェニックス 福岡代表 博多ボーイズ 5回の裏、1対0。 東松島フェニックスの1点リード。 「相手のピッチャーって……3年で公式戦、初登板で、初先発なんだよな?」 「そのはずだけど。」 博多ボーイズのベンチは重苦しい空気が漂っている。「ストライーック!バッターアウト!」 5回の裏ツーアウトランナー無し。博多ボーイズが完全に追い込まれた。 ここまで博多ボーイズはヒットどころかランナーすら出ていない。 「翔!ナイスピッチ!ツーアウト!ツーアウト!」 マウンド上では背番号13番のサウスポーが躍動していた。 ノーワインドアップから力みのない、自然なフォームから繰り出されるストレートは、小3で100キロジャスト。 そして……。 「ストライーック!バッターアウト!ゲームセット!」 試合終了。大会史上初の初先発、初勝利、初完封が完全試合という記録を残しての優勝。 表彰式が終わった。 祝勝会が開かれた。
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