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「条件?」
「そうじゃ。なーに、簡単なことじゃ。オヌシの夢はなんじゃ?」
「俺の夢?俺の夢は……プロ野球選手になることだ!」
「ほう。大きないい夢じゃ。でじゃ、条件は一つ。オヌシの夢を叶える。それだけだ。」
「…………。それだけだって。プロ野球選手になるのってスッゴく難しいじゃん!」
翔は後悔していた。プロ野球選手になるにはスッゴく努力しなきゃならない。甲子園に出たりしなくてもならない。
生半可な気持ちでは到底叶えられない。
ここで一つの疑問が。
「もし、叶えられなかったらどうなるんですか?」
「叶えられなかったら?そしたら………オヌシは死ぬぞ。」
………………『死ぬ』って言ったよな。…………………この爺さん、サラッと言ったよな。…………つーかヤバイよな。…………………。
「あ、あのー。」
「ん?」
「夢変更したいんですが。ダメっすか?」
「ダメ。」
………笑顔で言いやがった。………小3の子供に対して。………人情ってもんはないのか。この爺さんには。…………世の中の厳しさを知らない、純粋な小学生にいきなり厳しさ教えやがった。
「やっぱり?」
「だって……おもしろくないじゃん。」
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