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にらみ合いが続く。
なんだ、この男。
なんだ、この団子頭。
と、考えていることが読めるくらいだった。
男子がはぁ…と短く溜め息をつき、自分の受験カードをピラピラさせながら言った。
「…いいからさ。そこどいてほしいんだけど。団子頭ちゃん」
「団子頭!?」
なんだ!こいつ!
そう思いながらあたしはその男を睨みつつ、お母さんの元へ向かった。
あんな奴
落ちちゃえばいいんだ!
ふんっ!と鼻息を荒くしながらお母さんの元へ行くと、お母さんは心配そうな顔をしていた。
「こ…小春…?
そんな顔して…不合格…?」
「なわけないでしょ。
合格だよ~」
「きゃ――!やったやったおめでと―!!…で、なんであんなに機嫌悪かったの?」
「ん?別になんでもないよ~」
「?そう。じゃあ早速パパに連絡しなきゃ~」
そう言って上機嫌でお母さんはお父さんにメールで報告した。
ああ、よかった。
待ちわびた高校デビュー。あたしは心底安心した。でもあの男。
落ちてしまえ。
そう心から思った。そう思い、後ろを振り返り見てみた。
でも、あの男子はいなかった。
…どうだったんだろ。
とか言いつつも気になる自分もいて…。
いきなり団子邪魔なんて言われて、腹が立って、第一印象最悪…。
でも、なんか気になる。
全く反対の気持ち。
意味わかんない…。
あたしの心はツギハギだった。
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