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白い砂。青い空。それなりに輝く太陽。
……ここは?
「――ということになります。こらそこ、聞いてませんでしたね?」
周りには学園の生徒達、こちらを睨んでいる校長。
何故か砂の上に横たわっている自分。
起き上がって砂を払い、記憶の糸をたどってみる。
確か訓練施設へ向かっていたはず。
その時、背後から誰かの声が聞こえて――『そこの暇そうな君』とかなんとか――
頭の後ろの方がズキズキする。
手でさすってみると、コブができているようだ。
そう、あの時、何か頭に衝撃を受けて、そこから先の記憶がない。
気づいたときにはこの砂浜に横たわっていた。
「まったくいつまで寝てるんですか。私が眠いのを我慢して臨海教室の説明をしているというのに」
臨海教室?
そういえば、波の音が聞こえる。
「もう一度だけ簡単に説明します。この臨海教室は既に通常訓練を卒業した上級者の為のリゾート施設です」
教室なのにリゾート?
「コホン。卒業生の皆さんに“楽しんで”貰う為にアトラクションを用意しました。モンスターの……もとい、モンスター役の皆さんも張り切ってますので、存分に楽しんでいってください」
モンスター“役”?
「えー、張り切りすぎて羽目をはずしてしまうかもしれませんので、危険を感じたら帰還の護符を使用してください。なお、ただのアトラクションですから、単位とかでませんので。それから、当方では最初のエリアを『レベル7』と呼んでいますが、便宜的にそう呼んでいるだけですので気にしなくて結構です」
つまり、上級者向け訓練施設というわけですね。
「いいえ、アトラクションです」
……。
「あー、一つ忘れていました。この島ですが、満潮時には半分ぐらい水没します。アトラクションの中も時間帯によって水没する場所がありますので、いつでも泳げるように準備をしておくと良いです。そこの売店で当学園指定の水着を売ってますので、買っておいて損はないでしょう」
ちゃっかり商売までしている。
どうやら本当に訓練施設のようだが、せっかくなので他の仲間を誘って行ってみるのも悪くないだろう。
─End of Scene─
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