34人が本棚に入れています
本棚に追加
――とある小さな町の
小さな青い屋根の家。
その家にコンコンッ、と
ノックする音が聞こえると
"お邪魔しまーす"、
と言う声と共に
誰かが入って来た。
「・・・・・・。」
その声を自分の部屋で
耳にすると、
ぼーっと液晶テレビを
眺めて居た目が
少し驚いた様に見開く。
「・・・来た来た。」
近くにあった帽子を
無造作に被って
目を軽く擦る。
地べたに座って居た彼から
直ぐ近くにある階段の下に、
誰かが登って来る音が
聞こえて来た。
「・・・時間ぴったり。
流石だな・・・」
ふあー、と欠伸をし
軽く体を伸ばすと
独り笑みを浮かべた。
「"トウヤ"!
・・・もう博士から
届いたんだって!?」
眼鏡をした少年が
階段を駆け上り
部屋に入って来た。
トウヤ「おーおー、
そう慌てなさんな。
・・・ほら。」
トウヤと呼ばれた
彼の指差す先には、
少し大きめの箱が一つ。
リボンでしっかり
包容してあり、
如何にもプレゼント
と言った感じの物。
‐「・・・これが・・・!
うん、きちんと"三人分"
届いて来てるみたいだね。」
彼等二人の前にある
机の上に置かれた箱は、
とある物が三人分入る程度の
大きさの物だった。
トウヤ「ん。
俺と"チェレン"と・・・
遅刻魔な"ベル"と、だな。」
チェレン「・・・そうだね。」
小さく溜め息を吐き
窓の外へと目をやる。
どうやら、まだ此処に
来る予定の者が居る様だ。
トウヤ「・・・ふあぁ・・・」
そう言いながら腕を組んで
再び欠伸をすると、
壁に掛けてある
時計へと目をやった。
トウヤ「さて、
約束の時間から何十分の遅刻か。
賭けてみようか?」
チェレン「・・・分かったよ。」
最初のコメントを投稿しよう!