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20XX年 東京シティ―
「んー…よく寝た。」
さえないフリーター男。
それが俺、"飯島 悟(イイジマ サトル)"。
実家の名古屋から意気込んで上京して3年。
気づけば20代後半。
彼女なんていなくて、もちろん結婚なんてありえない。
「やば‥今日会議だった…。」
東京に来た理由すら消え失せている、今日この頃だ。
満員電車に乗り込む。
いつものように吊革につかまりながら揺られる。
「‥飯島くん?」
「あ、神谷さん!!」
いつもよりラッキーなこともあるもんだ。
「まさか、同じ電車だったなんて知らなかった!」
「僕もです。女性専用車両には乗らないんですか?」
「今日‥慌てて間違えちゃったの…!//」
恥ずかしそうに話す彼女、"神谷 涼子(カミヤ リョウコ)"
なんともクールそうな名前だが、かなりの天然。
一つ上の先輩、年は下だけど…。
「でも、飯島くんに会えたからいっかな♪」
「え‥あ、はは。」
ちょっと小悪魔。
くそ、ときめくな俺。
あー見ないで、今日洗顔してないの!
…嘘だよ、したよ。
「飯島くん?」
「あ、すいません。ちょっと自分ワールドに‥。」
「?」
そんな風に話しながら歩いていたら、会社に着いた。
神谷さんとは部署が違うため、ここで別れた。
「悟、はよ。」
「‥‥なんだ、鈴木か‥。」
「おい、なんてテンションだこの野郎!!」
このクソうるさい奴が、まぁ、唯一の親友かな…。
変態ストーカー"鈴木 隼人(スズキ ハヤト)"。
「おい、今口に出てるから!」
「‥すまん。」
「俺ストーカーじゃないからね!?一途なだけ!」
隼人はさっきの神谷さんのストー‥‥
「一途だって言ってるだろーが!!」
と、ゆうことである‥。
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