マイスイートマイホーム

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「祐一くん?本当のお家を教えて?」 「僕たち、新婚でしょう?ちゃんと結婚式もして、神様の前で誓ったし」 祐一は、クスッと笑って、怪しげな瞳で見つめて言った。 (……参ったなあ) 俺は、響子との新居を買ったばかりで、新居に行くのは、今日が初めてで…… とりあえず、そこへ向かった。 マンションに着いて、部屋に入って 「祐一くん、どうぞ」 そう言って祐一くんを中へ案内した。 「凄いね~さすが綺麗なマンションだね~」 祐一くんは、部屋に入るなり、あちこち、見て回った。 「寝室は、オッケー」 とか、ブツブツ言って。 チェックして歩いた。 (……?何してるのかな?) 俺は、不思議そうな顔で祐一くんを見てた。 そこへ、ピンポーン♪と、チャイムが鳴った。 俺は、インターフォンの画面を見て、受話器を取った。 「……はい」 『○○運送です、引っ越しのお荷物をお届けに参りました。』 「はい!?」 俺は、引っ越しの荷物は、とっくに運び込んであるから、なんで?って、感じで答えた。 「あ!それ僕の」 そう言って祐一くんは、受話器を俺の手から奪って言った…… 「どうぞ、上がって来て下さい。鍵は今、開けます。」 「ちょ……ちょっと待って、祐一くんどー言う事!?」 俺は、慌てて、祐一くんに訊いた。 「だって、僕、恭也さんの嫁だから」 「えっ……!?」 俺は、頭が混乱して来た。 「嫁って、祐一くん……」 「僕たちは、神様に永遠の愛を誓ったでしょう」 祐一は、当たり前と言わんばかりに言った。
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