奥様は♂17歳

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すっかり、祐一くんの荷物が運び込まれて、運送屋さんが帰って、やっと俺は、我に返った。 「……祐一くん?これは一体どー言う事か説明して?」 俺はやっと、状況を理解しようと、言葉を発した。 すると、祐一くんは、正座をして、頭を深々と下げて。 「ふつつか者ですがどうぞよろしくお願いします。」 そう言って頭を深々と下げた。 「いやいや、祐一くん、頭を上げて、ちゃんと話し合おう」 とにかく、俺は、祐一くんを説得しようと必死になった。 「はい、なんなりと」 ニコッと祐一くんが笑う(キラキラ) うっ……眩しい。 俺は、一瞬、目が眩んだ。 「その……君が嫁って?だって、君はまだ、学生だよね?しかも、僕らは付き合ってさえいない」 祐一くんは、じっと、俺を見つめて…… 大きな瞳から、ポタポタと涙をこぼした。 「あ、いや……ちょっと、祐一くん」 俺は慌てて 「どうした?なんか、悪い事を言ってしまったかな?」 すると祐一くんは。 「僕……響子義姉さんと、遊びに来る恭也さんに一目惚れしてしまいました。」 「だから、響子義姉さんの今回の話しを訊いた時に、僕が響子義姉さんの代わりになろうと決めたの」 綺麗な瞳から、零れ落ちる涙に、俺は…… ずきゅーん!と、矢で射抜かれてしまった。 「……しかし、だからって、いきなり嫁は……」 「ダメですか?」 潤んだ瞳で俺を見つめる…… ずきゅーん!ずきゅーん!! あぁ……もう、俺の常識とか、疑問とか、色んなモノがどこかへ吹っ飛んだ。 「祐一くんは、それでいいの?俺なんかで?」 「ううん!恭也さんがいいの!恭也さんじゃなきゃダメなの」 そう言って祐一くんは、俺に抱きついて来た。 あぁ……俺は完全にやられてしまった。
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