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片づけが終わって――――。
リビングに行く。
「まだ、何にも、揃ってないけど、コーヒーだけは、ある」
「飲むか?」
「うん」
恭也は、キッチンに行き、お湯を沸かした。
コヒーメーカーでドリップして
「砂糖はあるけど、ミルクが無い、どうする?」
「いいよ、ブラックで」
祐一はそう言って、両手の指を組んで顎を乗せる。
マグカップを2つ持って、リビングのテーブルに置く。
祐一が一口、口に含んで、苦虫を噛み潰したような顔をする。
クスクス……。
思わず、恭也は笑った。
「な……何がおかしい」
祐一は、カアッと赤くなった。
「ごめん、ごめん」
そう言って、砂糖を差し出した。
祐一は、むぅっと口を尖らせて、砂糖を2杯入れてかき混ぜた。
「どうせ、子供だと思っるんだろ」
祐一は、スネたように言う。
「いやあ……最初に会った時と全然違うなぁと思って」
「子供っぽいのは、嫌?」
祐一が上目使いで見る。
すっと、大きな手が、祐一の頭を撫でて
「いや……、今の方がいい」
恭也は、笑った。
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