幼い天使

1/2
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ

幼い天使

ガシャーン💥 「あんたなんて大嫌いだよ!」 母親の怒鳴り声が2階の子供部屋にまでも聞こえてくる。 そのセリフは母親から父親に向かって投げ付けるものだった。 《どうして昔みたいに仲良くしてくれないの?》 子供部屋で私は、いつもビクビクしながら泣いていた。 当時、5才年上の姉は、ぐれて家にいない事が多かった。 《お姉ちゃん早く帰ってきて~》 って、いつも思っていたな。 そんな事を思っていると下から階段を荒々しく上ってくる足音がする。 きっと、お母さんだ! さらに私はビクビクする。子供部屋の扉がガチャっと開き、お母さんは怒りながら私に、いつもと同じ事を聞く。 「あんたも、あんな、お父さん嫌いよね?お母さんの方が好きよね?」 私は、お父さんが大好きだけど、お母さんが怖いから、いつも小さく頷く。 《お父さん、ごめんなさい!》 私の態度を見ると、お母さんは満足そうに「やっぱり全て、あの人が悪いんだよ」 っと言いながら、また下に降りて行った。 また下から凄まじい怒鳴り声が聞こえる。 ガシャーン💥 ……もう止めて、お願い神様、お父さんを助けてあげて下さい。 お母さんは何だか変だよ。最近、急に怒りだすんだもん。 昔は優しかったもん。 こんなの悪夢だよね? 泣きながら、いつも思うけど悲しい現実だった。 のちに母は男を作って家族を捨てた。 私は、捨てられたのだ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!