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「本当にあの神様なんですか?」
翔は聞かずにはいられなかった。
「君の想像している神様像がイマイチよくわからないんだけど、私の職業は確かに神様です。」
笑いながら言う男からは、やはり嘘をいってるような感じがしなかった。
目が覚めたら知らない場所にいて可愛い女の子がいる、という程度の妄想はしていた翔も、神様が自分の前にいるなどという妄想はしたことがなかった。
そのため、翔は驚いてしまったものの、そこまでいわれると、今まで見た事も合わせて考えてみると本物の神様かもと信じ始めていた。
要は、翔は良く言えば信仰心があり、悪く言えば騙されやすいタイプの人間で。
「全部ではないようだけれど、信じてもらえたようで嬉しいよ。ああ、それと私の事は神様と呼んでくれればいいから。」
男は本当に嬉しそうだった。
「それでは、まずは君には辛いだろうけど、君がどうして死んでしまったのかを思い出してもらおうか。」
パチンッ!と神様が指を鳴らした瞬間に、頭の中に自分が死ぬまでの一部始終が映像と情報で送り込まれてきた。
(あぁ……そうだったな……)
映像と情報の整理が終わり、全てを思い出した翔の顔は、辛そうではあったが、どこか清々しかった。
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