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俺の寝ていた部屋より更に上。
城のような造りのギルド上階部分の一番上まで上がったところにあるマスターの部屋。
階段を上がればレッドカーペットが奥にある最上階にただ1つの部屋の入り口まで敷かれている。
如何にも偉い人が居ますよオーラが出ているな。
俺の第六感が面倒事待ってますよと語りかけてきてる気がするが行かなきゃ始まらないし。
さっさと両開きの扉の前まで行き、一回ノックしてから扉を開けた。
「ちわーす、三河屋で~す。煮干しとミルクの配達に来ましたー」
「黙れ、凍らすぞ」
「おぉふ…冗談ですよ、冗談」
中に入ると両側には難しそうな本がぎっしりと詰まった本棚があり、あとは大量の紙が積まれている所々傷のある机しかない。
声が聞こえたのに、十畳ほどの広さしかないその部屋の何処を見渡してもマスターの姿が見つからなかった。
「おい、何処を見ているのだ。目の前に居るだろう」
声のした方を見ると紙束の中から白い手が伸びていた。
背が低いからか手しか見えないのが可哀想で仕方ない。
「お仕事乙。で、何で俺は呼び出されたんですか?」
「む…それはだな……」
手が消えたかと思うと、マスターが机の前まで来て俺に一枚の紙を渡してきた。
「これは?」
「昇任の証だ」
名刺位の紙でランク2に認めるとマスターの直筆らしきものが書かれていた。
やっと1段階か。簡易なものだがランクアップは素直に嬉しい。
けどだ、これだけでわざわざ来させるのはおかしい。
「それでだな……」
そら来た。
何かと思うと、突然黒い穴がマスターの横に出現し、そこに腕を突っ込み高そうな羊皮紙を取り出し俺に渡してきた。
そこにはこう記されていた。
『私達の大事な娘と息子を護ることを命ずる アイリス国王』と
まだ色々と必要事項もあった気がするけど大まかにはそんな感じ。
だがこんな高ランクそうなクエストを一体何で俺に見せるのか…
「貴様にはその任務を受注したある奴の補佐としてアイリスまで行ってもらう」
…………はぁっ!?
「いやいやいや、このクエストどう考えてもランク7下らないレベルでしょ!?」
1分前にやっとこさ2に上がった俺にやらせるクエストではないだろ。
そんな焦ってる俺を見ながらマスターはニヤニヤしながら言ってきた。
「決定事項だ」
正に外道幼女。
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