街のち帰宅

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「それなら…フーちゃん、天心に連れてってあげて。叔父さんには後で言っておくから」 閃いたと言わんばかりにそう提案するミーシャに、プリシスさんは口をもごもごさせながら恥ずかしそうに言う。 「べ、別に私はお腹がすいてなんて……」 苦し紛れすぎる。おそらく自分のプライドが許さないんだろうな。 だが間が良いのか悪いのか、よく響く重低音が今度はしっかりと彼女のお腹から聴こえてきた。 ……俺は今、自分で言うのもなんだが優しい目をしてると思う。ほかの二人も然り。 「……………………」 そして俺はもう彼女は喋らないだろうなぁと思ったり。 「さ、いこっ」 フーに背を押され俯きながらゆっくりと歩きだすプリシスさん。 そして検問所を通り抜け女性騎士と妖精は街に姿を消しましたとさ。 「さて、この馬車どうしよっか?」 ほっといておく訳にもいかずミーシャに訊くと、任せてと一言、検問所のおじさんのとこへ走って行った。 先に帰る訳にもいかず手持無沙汰になり、とりあえず上を見上げて空が青いなぁなどと考え脱力した。 「おまたせ」 「はっ!?…サンクス」 いつの間にか話は終わったらしい。千夜は検問所の横に座らされながらも気持ちよさそうに寝続け、馬車はおじさん二人が街へと引っ張っていく。 さて、これで終わりか。 「待って」 「がっ!?」 俺も腹が減ったので天心に帰ろうとするも、フードを掴まれ首が閉まった。またか。 「ちょっと行きたいところがあるから、付き合ってほしいんだ」 「うん、オーケー、だから、フード離して」 「あ、ごめん」 自由になったフード。ぶちぶちって嫌な音出してるし、そろそろ引き千切られそうで怖い。これお気に入りなのに。 「それで、どこに行くんだ?」 フードの位置を整えつつ訊くと、ミーシャは郊外の森の方向を指さし言う。 「秘密……ヒントはね、人の霊が眠る場所」
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