街のち帰宅

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「お前たちが今日帰るとスフィアから聞いたからな。思う存分食え」 プリシスさんとフーにより空になった皿を持っていき、次々と新しく料理が運ばれてくる。 「すごい量ですね」 思わず息が漏れるほど並べられていく料理。この為に他のお客さんは来てないのか。 「はい、そこに置いて」 「あいよ」 手渡された料理を適当な場所に置く。黒マントのままだがミーシャが手伝うその姿を眺め、これが在るべき姿なんだと沁み沁み思ったり。 「さて、これで最後だ」 店長さんが鳥の丸焼きの載った皿をテーブルの中央に置く。 改めてみてなんともまあ食いきれる気がしない量で。そんな俺の表情を見て店長さんは豪快に笑う。 「俺にできるのはこれくらいだからな。腹が張るまで食え」 その言葉にミーシャはクスクスと笑う。 「大変だね、頑張れ、翔」 何を思ったか飲んでいたフレッシュジュースを一気に飲み干し、はいはいと手を上げるフー。 「私もまだまだ食べれるよっ」 正直フーの腹のどこにそこまで入るのか分からない。 「お前は……」 ふと、笑っている自分に気づいた。それはただ笑ってることを変に思ったのではなく、この感じが記憶に残っていたのだ。友人と居る時とは違う、少し静かで、それでいて安心できるこの感じを。 気づけば店長さんが急かすように顎で俺を指し、ミーシャ微笑みながらこちらを見て手を合わしてる。 急いで俺も掌を顔の少し下で合わし考える。家族になるために何が必要かなんて俺は知らない。書類を市役所に提出なんていう仰々しく手順を踏む形、ただ一緒に住んでいれば家族とする形。様々だと思う。 そして今からするこの行為も、行えば家族ってわけじゃないし、前からしていたわけなんだが、一番なんか家族っぽいと思ったり。 「それじゃ」 家族となった第一回記念と俺は思いつつ 「「「いただきます」」」 「……私もう食べてるよ?」 ホントこの子は……
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