日常のち誕生日

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何気無い質問にレイアさんが怪しくにやりと笑う。 「ミーシャに誕生日プレゼントあげるのね」 「え、えぇまあ……家族ですし」 「ふふっ……そうね、普通なものを贈っても面白味がないわね」 口元に手を持っていき考える姿勢で数秒、レイアさんがポンと手を叩いた。 「そうね、アリシアに訊くといいわ。あの子、幻想的なものに詳しいから。マジックドラゴンの水晶鱗とか女神の涙とか」 「え?」 何その高難度クエストの品は。それで決定みたいな顔をされても困る。そんなユニコーンの角的な伝説級の物とか三日では無理ですから。 そんな俺の思いに気づいてかレイアさんは言う。 「喜んで欲しいんでしょ?なら、多少の無理は通すのが男の子の役目、ね」 「…………」 確かに、ミーシャは今俺よりお金持ち。安物でなくともそこらのペンダントとかでは嬉しくないかもしれない。 「……そうですね、出来る限りはしないと。ありがとうございます」 お礼の言葉にレイアさんは嬉しそうに笑う。 「いいのよ、頑張ってきなさい」 「はい」 『おい、あいつ動いてないぞ。大丈夫か……っ!?脈が……誰か上に運ぶの手伝ってくれ!!』 ……さて、俺も指が動かなくなる前に出るか。 ―――――― 「―――と言うわけなんだけど」 「んー、そうですね……」 茹だるような暑さの中を歩いていき現在教会。アリシアは告白の後日、泣きそうな顔までして店に謝りにやって来た。ごめんなさい、ごめんなさいとお客さんがいる前で。 無論一瞬で俺は四面楚歌。野次を背にアリシアを店の外に連れ出し理由を聞けば、あのような態度を取ったことをとても悔いていて。 人一倍罪悪感を感じてしまう女の子には耐えられたものではなかったらしい。 だが俺にも非はあったので互いに謝りその場は収めた。そして今はというと 「時間がないのでしたら、一つだけ宛てがあります」 人差し指を立て、意味深な笑みを作るアリシア。 ちゃんと仲直りできたから良しとするさ。
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