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――――――
ドジッ娘なのか知らんが、フーが通ったと思われる地面や木にぽつぽつと微かに光る粉が付着していた。
それを辿って行きついた先は何でもない山小屋だった。目の前の黒服四人がいなければだが。
月に照らされ横一列に、見たことある双子と、腕を組み何故か目を閉じている細身のちょび髭の男性、それに二十代ほどの眼のパッチリした耳の尖った女性……尖った?……まあいい、重要なのはそこじゃない。
「…………」
「こら、目を逸らすんじゃない、目を」
行方不明だった家の妖精が変な檻に捕まってることだ。トンガリ耳の女性が持つ檻でフーは目線を上げ下げしながらぼそぼそと言う。
「ごめん……捕まっちゃった」
「見りゃあ分かる」
ため息が零れる。この四人は見た感じ山賊とかの類いだろう。どうしてこうトラブルに巻き込まれるんだ。
眠気と疲れから引き起こる頭痛に頭を抱えていると、何を勘違いしてかフーが慌てたように言う。
「で、でもね、クレシャが檻から出してくれるって言ったから大丈夫だよ」
そうだよね?と語りかけ、しかしクレシャと呼ばれた女性は仲間に訝しげに見られ気まずそうに目線を逸らした。
「そちらさんはそんな気はないらしいぞ」
平気で人を襲う集団の言葉なんて信用できるわけがない。俺の指摘とフーの置いてけぼりをくらった子犬のような目に女性は全力で否定する。
「そ、そんなことありません!!あれです、今から頼もうとしてたんです!!」
そう言うと女性は細身の男性の方を向き勢い良く頭を下げた。
「エインさん!!フレリアちゃんは今回の対象ではないですよね?お願いします!!帰らせてあげてください!!」
しかし、その言葉に双子が口を挟む。
「おい!!何言ってんだ!!妖精がどれほど珍しいか知らねぇわけじゃねぇだろ!!」
「そうだ!!情が移ったかしらねぇが甘いこと言ってんじゃねぇ!!」
野太い怒声になぜか俺がびくつく中、女性は動じずただエインと呼ばれた男性に頭を下げ続ける。
当の本人は俺の方を向いたまま何も喋らない。
檻に目を向ければフーは急な状況変化におろおろと困惑している。
どうしようか、ありがたいけど仲間割れとか起こされても困るわ。
取りあえず収束するまで俺もおろおろせざるをえない。
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