誕生日のち出会い

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―――――― いつ以来だろう……こんなにお腹いっぱいまでご飯を食べれたのって。泣きながらご飯を食べたのって……。食堂のおばちゃん、びっくりしてたなぁ。 今は食事も終わり、レイアはもう寝ている。私はと言うと…… 「そうだったのか……」 おじさんの部屋で、全てを話した。私たちの事、お母さんの事、そしてお父さんの事も。 捕まりたくなくて、無意識に同情を買おうとしたのかもしれない。それでも、おじさんはそれを信じてくれた。でも、決まりは決まりで。 「俺たち運び屋は密航を許しちゃいけない。そういうルールがある。それは一人でも守らなければ意味がなくなる」 抗えない、それは私も理解してるつもり。だから、私が取らなきゃいけない行動は一つ。 「お、おいっ、何を……!?」 座っていた椅子から降りて床に頭をつける。最早プライドなんてない。私は守らなきゃいけない。 「私は連行されても構いません!!ですから、レイアは……妹だけは見逃してください、お願いします……」 「簡単に土下座なんてするなと昼間に……それに女の子が。取りあえず頭を上げるんだ」 見なくても分かる。おじさんをどれだけ困らせているか。ルールを守らなきゃおじさんの信用が無くなってしまう。 それは仕事をするうえで一番やっちゃいけない事。ご飯と寝床をくれた人を困らせて……本当に最低だ。けど、それでも 「お願いします……計画したのは私なんです。妹は何もしてないんです……どうかレイアだけは、妹だけは……」 お母さんに頼まれたんだ。だから…… 「お願いします……」 頭を下げ続ける私の頭上から、呆れたような溜息が聞こえてきた。 「ふぅ、顔を上げろと言ってるだろ。……別にお前たちを通報するつもりはない。そんな事したら娘に怒鳴られちまう」 「……え?」 「やっと顔を上げたか。まあ、今言った通りだ、通報はしない。俺はな娘に……ああ、娘は三人居るんだが、何時も言い聞かせてたわけだ。『正しいと思ったらそれを貫け』とな」 うんうんと頷くおじさん。なら、私たちは…… 「お前たちを通報するのは正しくないと思った訳だ。というより、通報したら娘たちに勘当されそうだからな」
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