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「すまないが少し見ていてくれ。」
翔の顔を見て、今すぐ話すのは危ないと思った男は、話題を変えようと、マイクを頭上高くに投げ叫んだ。
「我に真の姿を現したまえ!」
するとマイクが輝きだして、直径1メートル程の球体になり地面に降りてきてその姿を現わした。
それは二本のアンテナを頭にもち、人のような手足がある地味に可愛い奴。
SM○Pの草○君がいなくなってた期間、必死に頑張っていた頑張り屋。
そう、地デジを宣伝するために生まれたあの鹿だった。
翔は目の前の出来事を見て唖然としていた。
男がマイクを投げたら、それが輝く球体になり、自分がテレビでよく見たあのマスコットに変身したのだから無理もない。
この人はいったい何者なんだ…
さっきのジョークことなど頭からなくなり、気付けば思考は、今起きた事で溢れかえっていた。
そして、口から自然に質問がでていた。
「あなたは魔法使いですか?」
無論、30才を過ぎた童貞もそう呼ばれるらしいが、今回はそうではない。
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