事故のち部屋

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テーブルに置かれた紅茶を、男が一口飲んだ。 「君も飲んでみなさい。大丈夫、毒なんて入ってないから。」 そんなこと疑ってないのに、と言おうとしたが、笑ってるとこから冗談なんだとわかった。 紅茶をよく見てみるが、普段紅茶を飲まない俺でもわかる。 この色合い、きっとこの紅茶は質のいい紅茶に違いない。 試しに一口飲んでみると口の中を程好い香りが満たし、気分が楽になってく感じがしてきた。やっぱりこれはハーブとかが高価な紅茶のはずだ! 「これは美味しい紅茶ですね」 「そうかい?市販の物でそういってもらえると助かるよ」 俺の中で何かが崩れた気がした。 市販ってどこのなんだよ……
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