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『まだ足りない。
壊れた神経を見せたいんだろ。
大丈夫。
もう君は狂ってるんだから。』
「や、やめろ!やめてくれー」
ガバッ!
叫ぶ声とともに和也は目を覚ました。
隣では亜季が静かに寝息を立て眠っている。
時計の針は午前3時あたりをさしている。
「また同じ夢・・」
この夢を見るのは何年ぶりだろうか。
夢の中の自分に何かが話しかけてくる。
気分が落ち着かない和也は布団から出て煙草を吸いにベランダへ向かおうとした。
亜季を起こさないように暗い部屋の中を足音を立てないようにゆっくり歩いた。
ガラス戸に手を伸ばしベランダに出ようとした時、視界に青い光がちらついた。
ガラスに反射して映った青光は携帯のメール受信を知らせるランプだ。
和也は携帯を手にとってからベランダへ出て煙草に火をつけた。
煙草を口にくわえながら立ち上る煙で、目を細めしかめっ面にしながら携帯を開いた。
『新着メッセージ/真里奈』
不敵な笑みを浮かべ
「ふっ。
まったく鬱陶しいヤローだ。」
和也はメールを読まずに削除した。
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