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黙々と山道を歩き頂上につくと神社の裏にでた。
人目につかない社の裏は澄んだ空気と湿気がたちこめる。
左側は無造作に育った木々が道をふさいでいたので右側へ歩いた。
社の側面は腰をかけるには丁度良い大きさの石がいくつかあり地面には煙草の吸い殻に空き缶があった。
屋根もあり雨も凌げ人目につかない絶好な場所で学校の生徒達がここで悪さをしていたのだろうと思ったが少年は特に気にも止めず歩いた。
正面にでると、そこにはあった。
忘れていた優しい母親との思い出。
立派な紅葉の木。
神々しくも懐かしさを匂わせる木を前に時間を忘れ少年はただただ立ち尽くした。
涙がでた。
少年はその紅葉の木から母親を感じたのだ。
その時――
ガシャッ。
足元で音がした。
目をやると空き缶があった。
いや、少年をめがけて空き缶が飛んできたのだ。
「ギャハハハ。
お前、なに泣いてんだよ~。
まじ気持ち悪いんですけど。」
振り返ると石に座った少年と同じ制服を着た女の子達がいた。
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