#第壱話#

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都立櫛灘高等学校… 春爛漫の桜並木の通学路を、一人の学生が歩いていた 「…(フッフッフ…実に静かな通学路だ…)」 白シャツの第一ボタンまでちゃんと閉めたネクタイ付きブレザーを着こなし、カバンを片手に歩くこの少年の名前は田嶋 一樹… 櫛灘高等学校の入学試験を一位で合格した優等生である (長かった…この瞬間が来るまで…) 容姿端麗、品行方正、そして優等生の三拍子が揃う彼だが、その裏側は想像を超える"努力家"である (四六時中勉強して、ようやく掴んだ高校生活…) カバンを持つ手が力が入り、校門を潜って上履きに靴を履き代え、教室へと向かった (新たなる第一歩を踏み出すのだ!!俺様よ!!) 教室の戸を開け、まだクラスメイトが来てないのを見渡す ……が 「ん…オハヨ」 「おはよう。九条さん(出やがったな宿敵!!)」 そんな彼には『宿敵』が存在していた .
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