ー石榴ー

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27歳になった。今、気づいた。私は今日、誕生日だ。「自分の誕生日ぐらい、覚えてなよ。」 目の前で、オムライスを食べながら千葉君が言う。 「昔から、石榴さんは自分に無頓着だったよね。」 確かに、私はよく自分の誕生日を忘れた。 特に祝ってくれる人がいるわけでもなく、むしろ忘れていたかったのだ。 それで、今日もこうして千葉君と会うまでは忘れていた。 もともと、映画を見に行く予定だったのだ。 私には珍しく恋愛ものだった。内容としてはありふれた感じのもので、10年ぶりに好きな人と再会し、そこから恋が始まるというものだ。はっきりいって観る気もしない。しかし主演がタイプだった。 そこで私は日曜日なのに早起きして、映画館に出かけたのだ。まさかそこで自分が千葉君と、10年ぶりの再会をはたすとは、思ってもみなかった。映画と違う所は、千葉君が私の好きな人ではないというところだ。
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