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しかし、1人だけ【ヌケサクの冒険】を絶賛してくれた人がいた。
今は亡き祖父である。
祖父は、内容も含めて、【ヌケサクの冒険】を面白いと言ってくれた。
祖父は、
金も知恵も腕力も権力も持たないヌケサクが、ソビエトやエジプトやアメリカやインドやアフリカや北極や南極でさまざまな事件を体験する、あまりにも荒唐無稽で幼稚なお話を、大絶賛してくれたのだ。
それが僕の原点。
実際、きちんとしたそれなりの形のものを書くようになったのは高校生の頃からなのだが、僕の字書きとしての原点はやはり【ヌケサクの冒険】にある。
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