2011年11月

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  僕が19歳の頃、入院した祖父に時代小説を買って持っていったことがある。 その時、祖父は、 「散歩(偽名)が小学生の頃書いたヌケサクの話が今までで1番面白かったなあ」 と言った。 孫が土産に買っていった本も、ベストセラーの本も映画化された本も、全てを差し置いて僕が書いたものが1番だと言ってくれたのだ。 僕は高校の頃から原稿用紙やルーズリーフに小説めいたものを書いてはいたが、それらは弟にしか読ませていなかったし、モバで書き始めた頃には祖父は既に亡くなっていたので、祖父は僕の他の作品を読んだことはない。 だから思う。 今の僕は【ヌケサクの冒険】よりも面白いものを書けているのだろうか? 答えはまだ出ない。 自信を持って祖父の墓前に捧げられる、そんな作品を僕は書きたい。  
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