序章

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四月十二日 朝  身支度を整え、資料をまとめ、パソコンの電源を落とし。俺は部屋を出た。  外は快晴、正に雲一つ無い青空。いい日和だ。こんな日はのんびりと散歩でもしたいもんだ。だが今日は生憎とかなりカツカツだ。まずは編集部に顔を出さねばならない。次に待ち合わせの場所に行かなけりゃならない。資料収集もしないとだ。いやあ、忙し忙し。  さあ、進展はあるだろうか。俺が今追うこの奇怪な事件の。ああ、警察関係者の知り合いが欲しい。国家権力にゃ縁無しだ。ヤクザの友達なんかがいるからかね?まあ、あいつがマル暴の奴から情報を運んでくれるにはくれるんだが。だがやはり、直接の情報が欲しい。  あ、そいや夜はその友達と飲みだ。素晴らしき飲兵衛よ、まあた俺は二日酔いにされちまうんだろうか。  いやはや、いつも通り面倒な一日だ。  いつも通り。
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