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10年一昔かあ。
女性は切り替え早いって言うけど、男は未練がましい生き物だな。
俺は何しに来たのだろう。
何を期待して来たのだろう。
「よお、ゆうちゃん!」
和樹がビールジョッキを2つ持って来た。
「春華と何話してたんだよ。まさかお前ら」
「違うよ、また振られた」
「そうか‥‥あの時さ、お前が電話してたらお前ら付き合ってたんだろうな」
そうかもしれない。
だけど俺には電話する勇気もなかったんだ。
「実は俺もアタックしたけど彼氏がいるって振られたよ」
和樹が肩をくすめて笑う。
「振られた同士飲みに行くか」
まだ同窓会が賑わってる中、俺と和樹は夜の街へ繰り出した。
友情はなかなか裏切らない。
悪くない、そんな夜だ。
そう思ったら明日も明後日も頑張れる―、そんな気がした。
fin
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