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クラスメイトのIくんは、とても綺麗な髪をしている。
いつも机に突っ伏し寝ているのに、誰からも注意されない。
私は彼に出会って半年経った今、初めて声をかける。
「ねえ、いつもよく寝てるよね。寝不足?」
「君に声をかけられるの、待ってたんだよ」
「え?」
それから私はIくんのとりこになった。
Iくんの髪は触ったらフワフワで、なんだか動物みたい。
でも、前にも触ったことがあるような気がする。誰だっけ。
「どうしたの?」
「動物みたいな髪だなって思ってたの」
「え?俺?そお?」
長い睫毛を瞬かせて、ご機嫌なIくん。
Iくんの家はすごかった。初めて家に遊びに行きたいとせがんだ時、Iくんはのり気じゃなかった。
ものすごくしつこく粘って、やっと来れた。
林の中にあって、家の周りの土はぬかるんでいた。
「ぬかるんで、クツが汚れる~」
「おぶってやるよ」
Iくんにおぶってもらって、家に着いた。
家の中には色んな宝物があってステキだった。
古い壺からキラキラの宝石まで、所狭しと、ごっちゃり。
「お母さんとかいないの?」
「いないよ」
「ねえねえ」
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