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「住田さん、おはようございます」
「ああ、おはよう」
住田はあれ以来、充には、挨拶を交わす程度になってしまった。
悔しかったから… あの時の、充のサインに気づけなかった自分が。
あの時…ダメ元で告白していたら充は、プライベートで、そばに、いてくれただろう。
しかし、今となっては後の祭り。
充はというと、今日も癒し課の仕事を一生懸命やっている。
だが、1日に一度、必ず晴が部屋に来る。
「晴さん、激しくしないでくださいね」
「さぁ、どうしよかな?」
意地悪そうに、笑う晴。
それから、さらに2ヶ月が経った時だった。
充が、急に会社をやめた。
癒し課を、ではなく、会社をだ。
それは、晴から言われた言葉が、キッカケだった。
「充を、他の人間に触れさせたくない。課をやめるだけじゃ、また何度も誘われるから、辞めてくれないか?」
充は、素直にうなずいた。
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