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ごっちーん!!
突然後ろから頭に凄い衝撃を受けた!
注意をされても無言で立ち尽くす優の頭に桐野のゲンコツが決まったのだ。
「いってぇ~~!」
「いてぇじゃねぇだろ!
目が覚めたか?それとも廊下に立ちたいのか?」
桐野はすぐに手が出る古いタイプの教師ではあったが何かと親身になってくれる優しく親しまれる教師だったことを優は思い出していた。
「す、すいません。」
優がおとなしく椅子を元に戻し、座ると桐野は優の頭をグシャっとなでて笑顔で黒板の前へと戻る。
「急にごめん、真夜。」
隣に座る真夜に小さな声で言う優を真夜はポカンとした顔で見ている。
「ん?どうした?」
優の問いかけに真夜の顔はみるみる赤くなっていく。
「だっ、だって、急に下の名前で呼ぶからじゃんっ…!」
(そうか!この時、俺たちはまだ…)
優と真夜はこの頃はまだクラスの同級生でしかなかった。高校2年になってはじめて付き合うことになる。
「わ、わりぃ!」
そんな二人の気まずさを残して授業は進んでいく。
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