泣き虫な僕

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 僕は泣きながら彼女に一生懸命話した。浮気されたこと、その時どんな気持ちだったか。そしてあっさり捨てられたこと、それでもまだ彼女が好きなことを。 女の子はずっと微笑み、僕の背中を摩りながら頷いてくれていた。 そして話しが終わると午後の授業の開始を知らせるチャイムが鳴った。 「昼休みはいつもここにいるから」そう言って彼女は屋上から出て行った。 彼女が去った後、初めて会った女の子の前で泣いてしまい、おまけに涙で顔をぐしゃぐしゃにして、勢いで話までした自分を客観的に考え、何だか少し可笑しくなった。 それから彼女が卒業するまで僕は毎日昼休みになると屋上に行った。 僕が屋上に行くと彼女はいつもそこで煙草を吸っていて、僕の話を微笑みながら聞いてくれた。
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