泣き虫な僕

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 そして一学年上の彼女が卒業する日、卒業式が終わると僕は屋上へ向かった。  やっぱり彼女はいた。そして僕は彼女に告白した。 「これからもよろしく。」初めて会った時のように、微笑みながら彼女は言った。 彼女は進学せずに就職したので平日には会えなくなった。それでも幸せだった。辛いこともあったけどそれをこえて余りある幸せが僕を包んでいた。 毎日彼女と電話、メールをした。週末は絶対二人で過ごし、連休には旅行に行った。 週末は一緒にビデオを見たり、昼寝したり、くだらないことでケンカしたり、学校であったことや会社であったことをお互いに聞かせ合った。ほんとうに全てが幸せだった。  幸せな時は時間が経つのが早いというのは本当で、いままでにない早さで僕の時間は進んでいた。 そしてあっという間に一年が経ち、彼女と出会った季節がまたやってきた。
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