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亜樹が電話を切ると一緒にテラスでお茶を楽しんでいた数人の視線が集まる。
「ねえ。どうだった?亜樹。真由の所に恭哉君居た?やっぱ無理してでも行けば良かったよお。」
向かいの席ででアイスコーヒーの氷をストローで乱暴に書き混ぜながら眼帯をした女が言った。
「あんたが物貰いなんか作るからでしょ。
それにしても真由には油断したわ。地味で口下手だから呼んでやったのに、いつの間にか恭哉君と居なくなっちゃうんだから、とんだ女狐ね。」
眼帯の女が訝しげに亜樹をみる。
「本当は亜樹の方が先に抜けたんじゃないの?」
図星だった。
亜樹は返す言葉が見つからず固まってしまい、目だけが忙しく動いている。
「やっぱりいー!」
「ごめん!だってね、まさか皆上手くいくとは思わなかったんだもん。
私も他の娘に頼んで行ったんだよ。でもさあ、その娘も上手くいってそのまた次の娘もって感じでね……ほんっとうに、ごめん。」
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