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男はまだバスルームにいるはずだ。
いるはずなのに、何故こうも静かにしているのか不可解だった。
真由には男が静かにしている理由が分からない。
何故か男が暴れていなければおかしいとさえ感じている。
「なんで、なんでなの……。私もう謝ってないじゃないっ!」
真由の中で謝っている間だけ男が耳を傾け静かにしていてくれるのだと言うルールが出来上がっていた。
普段なら決してそんな安易な発想をすることはないだろう。
しかし、このあまりにも日常と書け離れた状況に、どうにかなりそうな意識を保つには分かりやすい指針が必要だった。
ルール以外の事が起こると言うことは状況が変わったと言う事だ。
最初は男が真由の謝罪を受け入れて許してくれたと考えたが、あの状況でそう簡単に許してもらえるはずがない。
もっと短時間で状況が変わる単純な理由だと考える。
そして思い至ったのは男がバスルームから居なくなったという答えだ。
「どこ?どこに行ったの!?」
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