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頭の鈍い痛みに呻きながら男は目を開ける。
目の前にはクリーム色の壁が続き緩やかな曲線を以て床へと続いている。
プラスチックか合成樹脂の質感に男は以前利用したカプセルホテルを思い出した。
しかし、カプセルホテルとは違い、壁も床もつるりと磨かれいて、本来なら有るはずの布団やマットがない。
男は壁に沿って視線を上げていく。
壁は想像より高い位置で途切れ、そこから少し奥まった所にまた壁がある。
そこまで確認した時、男は自分が何処で寝ているのか気が付いた。
んでこんなとこに?
不思議に思いながら起き上がろうとしたが、手も足も動かせない。
後ろ手にされていたから首だけを動かして足元を確認すると、折り曲げられた状態で足首と膝にガムテープが幾重にも巻かれている。
「んだよ!これええ!!」
狭い空間に男の叫び声が反響した。
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