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恭哉は動かない気配が不気味で次第に不安が大きくなり、このままでは気が狂ってしまいそうに感じ、思い切って声をかけた。
「おい!そこに居るんだろ!!何がしたいんだよ!こんな事してただで済むと思うなよ!!」
バスタブに恭哉の怒声が響く。
それは不安と恐怖から逃げ出そうとする精一杯の虚勢であった。
真由は恭哉の怒声に怯えて動けなくなっていた。
やっぱり怖い人なんだ。
どうしよう。
「なんの冗談?」なんて笑いながら話しかけてくれるのではと淡い期待もしたが、大方の予想通り恫喝されてしまった。
こうなってしまっては話しかけることも出来ない。
このシャワーカーテンを開けたら何をされるのか怖くて仕方がない。
頭が真っ白になり足が震え奥歯が鳴り出す。
震えはどんどん強くなり、ついには壁にもたれながら座り込んでしまった。
拘束を解いて誠心誠意謝ったら許してくれないだろうか。
そんな事が頭を過ぎったが、すぐに否定する。
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