002

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…どこだここは。 暗い。ただ、暗い 「だーめじゃないっスか~。荒神さん。一般人を巻き込んじゃ~。」 …?誰だ? 「大丈夫よ。そいつもう、一般人じゃないから。」 …この声は…荒神? あれ…?僕は、何をしてたんだ…? 「…もしかして、噛んだ?」 「そうよ。」 「だーめじゃないっスか~!!も~。」 …思い出した!! 開いた目に飛び込んで来たのは、白い天井。 目を右に動かすと、茶色の革のソファの背もたれが見えた。 どうやら僕はこのソファで寝かされていたらしい。 「…。起きたのね。」 声のする方を目を細めて見つめる。 何しろ部屋がやけに暗いのだ。窓の外と部屋の暗さから見て、どうやら今は夜らしいと予測がついた。 カーテンの閉まりきっていない窓から入ってくる月の光が、僕と荒神だけを照らしていた。
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