003

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…すでに前述したかもしれないが、 彼女は、荒神は一女子高生として見ると、可愛くて綺麗なのだ。 そんな彼女が、今まで見たこともない艶やかな笑みを僕に浮かべたのだ。 健全なる男子高校生である僕(彼女いない歴16年)は、ソレに動揺し、 照れ隠しに目を反らす振りをして、 さっき無意識に抱きしめた彼女の、身体の柔らかさや匂いを思い出そうと必死になっていた。 夜中にぼんやりと空を眺め、虚ろな目をして、両手の指を閉じたり開いたりしている怪しい男の姿が、そこにはあった。 ていうか僕だった。
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