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鼓膜を揺さぶられて、耳も頭もおかしくなりそうだ。
熱気が肌をチリチリと焼き、爆風で長く伸ばした漆黒の髪が舞う。
後ろを振り返る余裕など有るわけがなく、膝がガクガクと笑いだした。
「何か言ったか?」
「めっめめめ滅相もありませんっ! わたっ私ごときがっ! いぃ意見などっ!」
半泣きになりながら頭をぶんぶんと激しく横に振った。
歯がカチカチと音を立て、頭のどこかが激しく警鐘を鳴らしている。
それでも、精神的にも実力的にも逃げることは最早不可能と言えた。
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