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明らかに行動も言動も悪者はコイツなのに、後ろに控える者たちは、互いに顔を見合わせて困惑したまま助けてはくれない。
半ば死を覚悟しながら、青年の美しい顔を目に焼き付けるように見つめ続けていた。
すると、いきなり何の予告も無しに手を離されて、とすんっと尻餅をついた。
咄嗟に文句を言おうと睨みつけた瞬間、地面が淡く輝き始めて複雑な紋様が浮かび上がる。
「さあて、悪魔。これから天使様が天国に連れて行ってやるよ。感謝するんだな」
青年は意地の悪い顔で口の端を吊り上げて私を見下ろした。
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