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ー…ここどこだよ。
辺りは真っ白。
ああ、あの世か。
俺死んだんだ。
確か仲間に裏切られてリンチくらって、その後海に投げられた。
俺、ぜってー地獄行きだと思うんだけどなぁ。
そんなことを考えてたら目の前に突然強い光が。
眩しい…。
「お前が大翔(ヤマト)か」
「あんた誰」
白い服を着た奴が光の中から現れた。
なんでこいつ俺の名前知ってんだ?
「私は神だ」
神?
神なんているわけねぇよ。
「神なんて信じねぇ。ふざけてっとボコるぞテメェ」
「信じるも信じないも貴様の勝手だが、とりあえず話を聞け。お前は死んだのだ」
「そんなの知ってる」
「これには、今までお前が行った行為が全て書かれている」
自称神はどこから出したのか、紙を取り出した。
「ひどいものだ。暴行、恐喝、強姦、殺人未遂、その他様々な犯罪を犯している。お前は、地獄行きだ」
そんなこと言われなくてもわかってるっつうの。
地獄かぁ…
まぁ別にいいか。
「…だがな、地獄行きの奴には一度だけチャンスを与えているんだ」
チャンス?
「私の条件をクリアすれば、お前は天国に行ける。クリアできなければ地獄行きだ」
条件だと?
「…条件は何だ」
「これからお前にはある少年と暮らしてもらう」
「少年だぁ?なんで…」
「人の話は最後まで聞け。その少年と共に過ごし、その少年からお前が知らない大事なことを教わるんだ」
大事な…こと…
「何のためにだ」
「チャンスだと言っただろ。これがお前の条件だ。期限は七日間」
「七日間!?」
短すぎる…
そんな短期間で会ったこともないガキと暮らして大事なことを教われだと!?
「ふざけるな!んなの無理に決まってんじゃねぇかっ」
「無理ならお前は地獄行き。全てはお前次第だ」
ふざけやがってこの糞ジジィ。
俺はジジィを睨みつけた。
「それから、その少年に危害を加えたら即刻地獄行きだから注意しろ。あとな、お前の死はなかったことになっている。つまり、少年以外お前が死んだということを知る者はいない…もちろん、お前を殺した犯人たちもだ。では、私はこれにて失礼する。まぁ、精々頑張るのだな」
ニヤリとジジィは笑うと、眩い光に包まれ俺の意識はそこで切れた…ー
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