第1話 闇夜に煌めく処刑鎌

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魔人は唸りながらわたしに向かって突っ込んできた。 わたしはライセンスをポケットに戻して横に大きく飛ぶ。 魔人はついさっきまでわたしのいた所を鈎爪で切り裂いていった。 わたしはGEARに『ココロ』を流し込む。もちろんイメージの中で。 アメジストが輝き、紫色の光が放出された。 その光がわたしの両手首についたのを見て、魔人が目を見開く。 「お前、駆動術師か!?ライセンスが赤ってことは見習い!王立駆動術師養成専門学校の生徒か!?」 執行宣言した時点できづけよ…。 わたしはうるさい魔人に向かって走り、その顔面に回し蹴りを叩き込んだ。 魔人が呻いている隙に間合いをとる。 その間にGEARから放たれた光は武器をかたどっていた。 デスサイズブレス それがわたしのGEAR。 ようは両手首にはめたブレスレットから、各二本ずつのアームがのびていて、その先に鎌がついているだけ。 わたしが構えをとると同時に魔人がまた突っ込んできた。 もう手加減はしない。 わたしはタイミングをあわせて4振の鎌で魔人の身体を切り裂いた。 声もなく倒れた魔人は黒い霞となって消えた。 わたしは近くに落ちていた握り拳くらいのダイヤモンドの塊を拾ってポケットにおさめた。 魔人を倒した後は鉱石の回収。 ここまでしっかりやってバイトはおわり。 は~疲れた… 寮に戻ったらすぐ寝よう… わたしはラントンの中心にそびえ立つ城、王宮兼王立駆動術師養成専門学校兼学生寮にむかって歩きはじめた。 えっ?何?わたしの名前?言ってなかった? えっと、わたしの名前はアスカ・ケルディン。 王立駆動術師養成専門学校γクラス所属の見習い駆動術師です!
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