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「おはようございます」
教室の戸が開き我等が担任、シモン先生が入ってきた。先がはねている焦げ茶色の髪、くわえ煙草(ちなみに、校内は禁煙)、ずり落ちた眼鏡、黒いスーツとマントに長身。
こう見えても(どうみえても?)、ラントニアル王国に4人しかいない最高レベルの駆動術師「守護者(ガーディアン)」の一人だ。
みんながシモン先生に挨拶をし始めたちょうどその時、
「ひゃっほおう!!!」
…DDの奴、毎朝窓、ブチ破って登校すんなよ…。
大声とともに(ついでに騒音とともに)現れたのは、DD(ディーディー)。赤い髪にバンダナ。髪とお揃いの赤い目。制服をだらしなく着崩している。身長低いくせに目立つ野郎だぜ…。
あっ、ちなみにオレと同室の奴だ。
「朝から元気だね…すごいうるさい」
アスカはちょっと眠気が覚めたみたいだ。
「ごめんね」
後ろから自分のせいでもないのに謝る声がした。
「聖(ヒジリ)ちゃんのせいじゃないよっ」
アスカが振り向き、謝った和風美人に声をかける。
源聖(ミナモト ヒジリ)。美人、成績優秀、スタイルよし、茶髪。そらモテるわって感じの女の子だ。
ちなみにDDのバディ(バイトにもランクがあって、Bランク以上のバイトには、二人以上でいかなくちゃならねぇ。そん時に組む人のことをバディっていうんだ。)でもある。
「あ、聖~!お~す!」
聖を見つけると大声でそう叫びながら、大きく手を振るDD。
聖は控え目に手を振り返す。
その顔は真っ青だ。
そらそうだ。DDの後ろにはシモン先生が…。
ゴン!
シモン先生に頭を叩かれ、ぶざまに倒れるDD。
「は~い、ホームルーム始めま~す」
何もなかったかのようにいつも通り振る舞う先生。
殴られたDDはおとなしく聖の隣に座る。
「殴るこたねーじゃん」
小声で文句を言うDD。殴られた頭を聖にさすって貰っている。
「あんたが遅刻するからでしょ」
DDを強く睨みつけながらアスカがため息混じりに言った。
聖は不安そうな顔でDDとアスカを交互に見て、「そろそろ授業始まるよ」と優しく諭した。
てか、シモン先生がこっち睨んでる…
なんでオレを睨んでんの?
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