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私はムッとしてしまった。
「わ、悪い悪い…いやな、さっきのあの返事を思いだすと……くくく………」
「はぁ………」
私はもう諦めた。
「もう…いいです…」
「す、すまなかった…」
黒羽丸さんはまだ顔に笑みが残るものの、すまなそうな顔をしている。
「…ありがとうございます」
「…なぜだ?」
「いえ、手伝ってくれるとおっしゃっていましたし…ありがたいです」
「あ、ああ」
「私、あまり地理に詳しくなくて……」
「そうなのか…?」
「はい…」
私はしゅんと耳を下げる。
黒羽丸さんは私の頭に手を置いた。
「黒羽丸さん…?」
「いい場所を見つけるのだろう?…さっさと行くぞ」
「あ…はいっ!お願いします!」
黒羽丸さんは私の頭から手を離た。
少し寂しくなったのは気のせいなのだろうか?
「何をしている?さっさと行くぞ」
「あ、待ってくださいっ!」
黒羽丸さんは少し先に行ったところで、立ちどまってくれていた。
私は急いで黒羽丸さんの所へ向かった。
そして、しばらく飛んでいると、ある場所を見つけた。
「あれは…湖…?」
「…みたいだな」
「黒羽丸さん…知らないんですか?」
「ああ…ここいらはトサカ丸の管轄だからな」
「えと…黒羽丸さんの弟さんですか?」
「そうだ」
「それぞれ管轄があるんですね…」
「その方が効率いいからな…ほら、降りるぞ」
「あ、はい…!」
私と黒羽丸さんは湖の近くへと降りた。
「…わぁ……きれい…」
私は湖の綺麗さに感激した。
湖は、空の色を反射して青く見える。
それに、太陽を反射してキラキラ輝いていた。
「こんな所があるとはな……トサカ丸のやつ…黙っていたな…」
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