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魔物たちがまたやって来た。
これで何度目になるのだろうか?
私は後何回、両親を目の前で殺されれば解放されるのだろうか?
後何回、勇者一行を見送って
後何回、勇者一行の死を見届けなければならないのだろうか?
答えはない、永遠に続く終わらない現実なのだから
今日もまた新しい勇者一行がやって来た。
私は震える声で助けを求める。ボロボロの継ぎ接ぎだらけの服で
「おじいちゃんを助けて」
と勇者一行に泣きつくのだ。新しい勇者一行は真新しいマントや武器を持っている近くの街で装備を整えたばかりのようだ。
「よし、今すぐおじいちゃんを助けてやるからな!!」
勇者が格好をつけるとパーティーの面々はやれやれと首を振っている
「ありがとうございます!!」
滑稽に思いながらも感謝感激、雨霰のように振る舞う
それが与えられた役目だから…
勇者一行を森の洋館へと導く
ラスボス前の最後の試練なのを私は知っている。生半可な覚悟で挑めば返り討ちにされることも
「いくぞ!!」
「おう!!」
勇者とそのパーティーは掛け声と共に洋館へ入っていく
(今度はどうだろう?)
しばらくその場で耳を傾ける
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