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「役割だけじゃない、君たちはー」
男はそこで消える。ここでは私たち(NPC)とプレイヤーだけしか居られない。しかし男の問いは私たちのなけなしの心にグサリと突き刺さってしまった。
新しいおじいさんが来たとても優しく、魔物たちとも仲良くなった。
そしてそれは突然やって来た。
改造プレイヤーが私たち全員を殺した。
死は怖くないはずだった…
体が冷たくなっていく恐怖に怯えた時、私たちはゲームから切り取られていた。
だだ一場面を切り取られた写真のようにでもループする事のない。私たちだけの物語。
みんなが手にとって喜んだ。だがそれが私たちの全員の首を絞める結果になった。
誰も来ないのだ、勇者一行も魔物もおじいさんも誰かの変わりがいない。それがようやく理解できた時、そこには私しか居なかった。
だから私は書く、このふざけた世界を。誰も見てくれない世界を誰かに伝える為に。願わくばこの命を糧にこの物語が誰かの『不幸』を呼び起こしますように
BY京音
END
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