トイレのタイル

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トイレのタイル

『じゃあ,明日お伺いしますから。』 母は『宜しくね~。』 あたし愛音。中1。13歳。 母と兄の三人家族。 『ただいま~。誰?今の人。。。』 『タイル屋さんよ。トイレ,タイル貼ってもらうねんよ。綺麗にしてもらうからね。』 『ふぅ~ん。。。そうなんや。宿題してくる。』 ふとトイレの前に黒いボールペンとタオルが置いてあるのに気づいた。 『お母さん,これさっきのタイル屋さんの忘れ物?』 『あら。そうかもね。明日きはるからいいよ。』 『そぅ。。。』 夜8時くらいに電話が鳴り,あたしが出た。 『もしもし』 『あの,今日お伺いしたタイル屋ですけど。お母さんいはる?』 『いまお風呂ですけど。』 『娘さんやね。明日,行くことになってたんだけど明後日に変更してもらいたいんだけど,お母さんに言っといてもらえるかな?』 『はい,わかりました。あの。今日,ボールペンとタオル忘れていかはりましたけど。』 『あ。忘れてた?ありがとう。』 『明後日までおいといていいですか?』 『そのボールペンないと困るんだよな。どうしようかな。』 『明日,あたし,届けましょうか?どこにいけばいいですか?』 『じゃあね,郡山駅まで出てきてくれるかな?学校何時に終わる?』 『明日休みなんで大丈夫ですが。』 『じゃあ昼の一時に来てくれる?』 『はい。じゃあ明日。』 電話を切り,お風呂から出てきた母に伝えて,自分の部屋に戻った。 駅までボールペン返しにいくだけやのに,洋服何にしようか悩んだ。。。 『あたし,何,ドキドキしてるんだろ。』 そのまま寝た。 翌日 1時。駅前。 顔覚えてない。。。 すると『田中さんやんな?』あっ。タイル屋さんだ。この顔だ。この人だ! 『はい、ボールペンやんな。これと、タオルと。。。』 『何年生?』 『中1ですけど。』 『俺の妹と同い年やねんな。』 『あ。そうなんですか。じゃあ、あたし帰りますね。。。』 『ちょっと待って。時間ある?』 『え?あっありますけど。』 『じゃあ車少し乗らへん?』 『いいですけど。。。』 乗ってしまった。
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